日本経済新聞の報道で、大和ハウスが3月期の決算発表時、同社の熊本益城町の住宅2棟が、今回の地震で全壊と判定された旨を発表。
震度7レベルのゆれが2回続けば、耐震住宅とは謳っていても、倒壊してしまう建物が出てきてしまうということになり、建築関係者のあいだに衝撃がはしっている。
新耐震基準の倒壊件数は、前回の記事 ”熊本地震の木造倒壊率は阪神を上回ったようです。”  に木造住宅、鉄骨住宅共に記載していますのでご覧ください。あくまでも、私見にはなりますが、新耐震基準に準じていても、南側の開口が広すぎたり、1階と2階の壁の位置がズレ過ぎていたりすれば、構造的には弱かったのではないかと推測されます。
設定されていた耐震等級も、是非確認したい項目の一つですね。
場合によっては、耐震等級の基準を、根こそぎ変えなければいけなくなり、地震保険の料率等も変わってくる可能性もあるかなぁと思っています。
大和ハウスの件も、私見ですが、軽量鉄骨の建物が、特別地震に強いわけは無いと思っています。
軽量鉄骨メーカーの営業に尋ねても、鉄は強いです、程度のことしか言わない営業が多いですね。薄い鉄板(軽量鉄骨基準は厚み6mm未満だが、軽量鉄骨住宅は4〜3mm程度が主流。)を柱状にしたからといって、決して強いとは思えないのですが?
但し、大和ハウスは発表したうえで、震災エリアにある建物の訪問調査を続けるということで、企業としての姿勢がちゃんとしていると思われます。
福島の地震の時には、茨城でボロボロになった、軽量鉄骨住宅のハウスメーカーは、ひたすら隠し通して、いまでも耐震住宅を名乗ってますけれど?
個人的には、鉄骨住宅と呼べるのは、重量鉄骨位ではないかと思っております。
したがって、私に紹介先を依頼される場合、鉄骨造の建物を希望される際は、重量鉄骨の建物がメインで、軽量鉄骨の建物は比較対象の為に紹介されると思ってください。
もちろん、被災を隠しているハウスメーカーは論外です。これから首都圏エリアにおいて、大震災が想定されると言われ続けておりますが、その間にも、鉄骨は地震に強い、火災に強いという謳い文句で、軽量鉄骨の家は建ち続けています。
軽量鉄骨の建物が好きだ、と言われる方を否定する気も無いですが、今回の地震は、色々な所に波紋を広げていく気配です。